頼るべき医療

 癌患者にとって医療の何が当てになり、
何が当てにならないかを認識しておくことが
非常に重要です。
 まず、診断です。
癌の種類や場所や進行状況は医者に診断してもらうしか
ありません。
人間の体の構造を隅々まで人体解剖などで
良く知っている医者はこのことに関して
プロフェッショナルで、医者以外の人が
どんなに書物を読んで勉強しても及ばないところが
あるでしょう。

 次に頼りになるのは、応急手当や当座の治療です。
癌の場合は、
患部を手術で取り去ったり、薬で進行を遅らせたり
照射療法で癌を殺したりと様々です。
これらはいずれも、対症療法です。
ここで、〈対症療法〉と言わせてもらっているのは、
それを、軽んじたり、侮ったりするための表現ではないこと
を断っておきます。
ほとんどの人が死ぬまでには、何本かの歯を失い
入れ歯などのお世話になります。
我々はそのお蔭で、10年、20年、30年あるいはそれ以上
生き永らえることが出来るようになりました。
これは典型的な対症療法です。
 決して癌になった原因を取り去ろうと言うことではありません。
けれども、癌自体が新たな元凶になってしまったのですから
これを取り去ったり、抑え込んだりする対応は必須事項です。
その場合に、そうした医療行為まで対症療法と呼べるかは
議論が分かれるかもしれません。
けれども、ここでは敢えて対症療法と呼ばせてもらうことにします。
この対処療法なるものが医療に最も期待されているもので
医者の真価を発揮すべきものです。
神の手を持つ外科医などに治療してもらえるのは
非常にラッキーなことです。
名医を探す努力は必須だと思います。
何しろそれで、当面生き延びられるかどうか
が決まったりしますから。

 ただ、一方では。
医者が、癌が発生したその原因に迫って
原因を取り去ろうとしている訳ではないことを
知っておかなければなりません。
肺癌が世界中で増加しています。
その原因が車の排気ガスや石炭火力発電の
大気汚染によると考えられていますが、
医者にその原因を取り去る責任や権限は
ありません。
 ディーゼル車の廃止や乗り入れ規制をやるのは
政治の問題です。
省エネ車と称するガソリン自動車からは従来車以上の
強烈な発癌物質であるPM2.5が放出されます。
これを規制するか奨励するか
は政治の問題です。現在の日本では
省エネ車には補助金を出していますが
発癌物質と言う観点からは環境の悪化を奨励している
ことに成ってしまっています。

 医者が根本原因を明らかにしてくれることも
あります。
酒の飲み過ぎで肝臓癌になったとか、
砂糖の摂り過ぎでピロリ菌酸が増えて胃癌になったとか、
放射能を浴びて甲状腺癌になったとかです。
しかしながら、多くの場合は、
原因はもっとあいまいです。
あまりに、多くの原因が考えられます。
肺癌になるのは、タバコやPM2.5や黄砂などの大気からの
ものの他に食べ物が悪いことも考えられます。
皮膚癌になるのは、唐辛子や白ワインなどの飲食物の
他にも紫外線の浴び過ぎなどが考えられます。
このように、原因が多岐にわたるために
特定不能になってしまいます。

 発がん物質を取り込んだために癌を発症する場合も
あれば、その人の免疫の低下に大きな問題を
抱えている場合もあります。
血液検査で白血球の数を調べたり、
B細胞とNK細胞を加え、免疫力の総合基本評価をおこなったり、
培養によりT細胞の増殖能力を測定し、
免疫力の包括評価を行ったりします。
免疫力のある程度の判定はやってくれます。
これも、何故免疫力が低下したかの原因を
調べると言ったことにはなりません。
免疫力を高めるためにワクチン療法などを
トライしてくれます。


 ここに、大きな疑問が生まれます。
それは、原因を無くせば、新たに発生した
元凶である癌にどの程度効くかと言うことです。
酒の飲み過ぎで肝臓がんになった時です。
前述の対処療法で治療しますが
この時に禁酒を当然やるとは思います。
おそらく、酒を飲み続ければ
延命は不能です。この場合は分かりやすいのですが
大気汚染などで肺癌になった場合です。
癌を手術で取り去ることや、薬で癌を抑えることや
放射線で癌細胞を殺すことなどを検討するでしょう。
この時、原因になった大気汚染と戦うために
マスクを着用したり、ほかの発がん物質を
食事から取り込まないようにしたり、
癌と戦うために栄養を確保したりすることは
この対症療法の成果にどの程度影響するのでしょうか?
決定的なものでしょうか?
一旦癌が発生してしまった以上、
当面の延命には影響しないのでしょうか?
残念ながら、私にはその知識も経験もありませんが
ものすごく大きな関心を持ってみています。
少なくとも、
私の身内や友人が癌を宣告されたのであれば
このサイトで紹介している健康食を勧めます。
実際に勧めてきました。

実際に癌を宣告された時には
《医者に、癌の種類・発生場所・進行度合い・
考えられる原因・免疫機能の状況・延命治療》
について確認して、医療の他に
自分でできることは何かを確認すべきだと
思っています。



追伸:
 医療が癌になる根本の飲食や、
大気汚染などに向かわないのは、ある意味で当然です。
それは、予防が医者の責任ではないからです。
医者は料理に関しても一般人よりも
経験が乏しいのです。
食べ物や環境の安全は厚生労働省や保健所など
行政が担っています。それを指導しているのは政治です。
食品などでは、安全や健康だけが全てではありません。
食事は人生の楽しみでもありますから、
多少身体に毒になったり、発がん性があったとしても
それで、製造販売が禁止されるわけではありません。
酒やたばこに深刻な問題があっても
禁止されないのを見れば明らかです。
酒によって社交性が高まり、人々の幸福が増すと
言う側面もあれば、その税収で救急車の財源にも成り得る。
などと言うこともあります。
怖いのは酒やタバコだけではありません。
 賭博が問題だとしても、その莫大な収益が
自治体を支えていたり、社会福祉の充実に
役に立ったりするのです。
政治家が公営賭博の設立に狂奔することも
利のあることです。

 まして、医者が健康問題を前面に出して
食材の問題を提起しても、
社会はまともには相手にしてくれなかった
というのがこれまでです。
タバコの害を問題にしても1000万人以上の人が
喫煙を続けていますし、
砂糖の健康被害を訴えても
テレビ番組ではこれ見よがしに
連日スイーツが報道されます。

 こうした状況で、医者が
癌に対しても根本原因を取り除くと言った
ことではなく、〈延命の対処療法〉に集中するのは
自然なことです。


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